紳也特急 1

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  ■■■■■■■■■  紳也特急 vol,1  ■■■■■■■■■
http://www.cai.presen.to/
  全国、津々浦々年間100ケ所以上の教育機関などへ性教育の講演を行う
      厚木保健所、岩室紳也医師の衝撃のメールニュース!
   今まで届きにくかった性教育の現場を指導者の立場から鋭く解説
   〜人に聞けない性の疑問など岩室医師が答えるコーナーもあり!〜
                    Shinya Express (毎月1日発行)
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◆今月の話題
「紳也特急」って何ですか?

 性教育やエイズ教育で年間100回ほど学校、地域、専門機関、等にお邪魔しています。依頼されたのを全部受けているとその倍にはなると思います。自分なりの主義主張を貫いて話しているつもりですが実際のところ、自分が思っていること、話したいことを全てお伝えすることができません。さらに聞いている側との質疑応答、交流もあまりできません。読みたい人だけが読み、文句や意見がある人が自由に非難、批判、賛同する場で自分の意見を書いてみたいと思っていたところに、CAIからメールニュースの話をもらいました。CAIは本音で、「正論」ではなく「事実」を前面に立ててHIV/AIDSを受け止めてきた団体だと思います。
 「紳也特急」では性やエイズのことを中心に、トピックスがあれば順次取り上げていきたいと思います。読者の方の感想、意見、反論、等々を積極的にお寄せてください。

★自己紹介
 8月13日で44歳になりました。どんな顔か気になる方は「1999AIDS文化フォーラム in横浜」のホームページで昨年のフォーラムであの深田恭子ちゃんと写っている男です。
(http://ymcajapan.org/yokohama/jp/AIDS/)医者です。保健所では保健予防課長、病院では泌尿器科をしています。
 「専門は?」という質問がもっとも苦手です。取り敢えず講演で呼ばれるテーマは「エイズ教育・性教育・包茎・保健医療計画・公衆衛生活動の評価・先天性尿路奇形スクリーニング、等」です。

 今までに書いた本やパンフレットは?
 ◇「エイズーいま、何を、どう伝えるかー」大修館書店 1200円+税
 ◇「OCHINCHIN」日本家族計画協会 100円+税 他多数
  (と人は書くが恥ずかしい)

 「エイズ」に関わるようになったかと言えば、「自分の前にエイズがあったから」としか答えらません。目の前にエイズの患者さんがいても相変わらず診ようとしない医者が多い中でちょっとカッコ良すぎますか。でも私にとっては「なぜ医者になったのですか」という質問と大差ありません。単に医学部に合格したからです。最近、医学部の学生が集団レイプ事件を起こし、「医学を志す者として許されない」という報道や釈明会見がありました。「レイプ自体が許されない犯罪であり、医者や医学生だからいけないという問題ではない。では、彼らが工学部や体育学部に行っていれば許されたのか」と逆に質問したくなります。大人は「レイプ」を容認する社会を作っていると思うのは私だけでしょうか。AV(アダルトビデオ:この呼び方もおかしい)でレイプされた人が最後は喜ぶ場面とか、漫画で「レイプマン」というのが単行本になったりすること自体が感覚を麻痺させ、レイプを犯罪として認識できない人間を作り上げていることを正直に認めるべきではないでしょうか。一方で「レイプが犯罪であるという認識がなければ」(ここが大事で多くの人はその認識が確立されているので犯罪を犯さないのですがそのような認識がない)男ならだれでもレイプをする可能性があると考えるのは間違っているでしょうか。一人の人間として、罪を犯さない、社会の秩序を守るというルールをどうして獲得できるのかを誰か教えてください。
 ちょっと脱線しましたが、私は親の海外転勤の関係で京都の公立中学から「東大受験と高校野球」で有名な桐蔭学園に転校しました。桐蔭の後輩には「デーモン小暮」、「やくみつる」、「織田雄二」といった有名人もいますが高校時代は理数系が得意でただ「京都大学」に入りたかったので「工学部」を受けました。自分なりに理屈はつけていても現役時代は医学部など眼中にありませんでした。ところが一浪中に中学・高校時代の寮生活でお世話になった寮の舎監、故佐々木先生の奥さんが「岩室君って医者にむいてるかもよ」と言われたのがきっかけで医者になってしまいました。人は「目的意識もないとんでもないやつ」と思うでしょうが、所詮、高校卒業して間もない人間にそこまで求める方がおろかだと思いますがいかがでしょうか。ちなみに医学部受験の時の面接で「どうして医者を目指したのですか」に対して「小学校のときにアフリカに住んでいてシュバイッツァー博士にあこがれて・・」と言っていたのに今は大都会に住んでいます。

自己紹介はこれくらいにして、、、。

◆今月のトピックス

「握手でHIV(エイズウイルス)はうつる?」

 エイズと私の関係を決定的にした出来事でした。
 私が初めてHIVを持ったパト(HIVに感染している友人、今では私が主治医として診療もしている)と握手をしたのが1994年1月29日(正確には30日午前1時過ぎ)横浜みなとみらい21のランドマークタワー10階FM横浜(通称:ハマラジ)の休憩室でした。6年近くも前のことをよく覚えていると思うでしょうが、医者ともあろうものが、当時の講演会で「エイズ(今ではHIVと正確に話していますが)は握手ではうつりません」と言っていたにもかかわらずパニックになりました。その日がパトとの初対面でしたが1時間のトーク番組で盛り上がり、国際エイズ会議の開催年でもあり「つい」握手をしてしまいました。

その瞬間・・・

パトの汗
汗にはHIV
自分の手にささくれ
ささくれは傷
傷から感染
自分もエイズ

 早くトイレで手を洗いたい衝動にとらわれながら、「お前は医者だろ。今まで言ってきたことはうそか」と自分に言い聞かせながらも「3ヶ月後」には保健所でエイズ検査を受けていました。しかも、検査機関に「すごく心配している人がいるので早めに結果を教えてください」と電話するというみっともなさ。もちろん感染していませんでした。

 なぜ、なぜ、自分は感染しなかったのか。バケツ3倍の唾液より少なかったからか、ディープキスより軽かったのか、傷がなかったのか、と考えても答えはありませんでした。

 パニックの顛末やなぜ感染しなかったかは今後のお楽しみ?医者である前に、大人である前に、正直でありたい。自分のパニックを「正論」で言い訳をしてる医者に会うと残念でたまりません。「エイズを診ないのは感染の可能性を否定できないから、職員が不安がるから、感染者の人権も大事だが医療者の人権はどうなる」と平気で言う医者は何を考えているのでしょうか。そもそも「感染症が怖くて医者をやっていられるか、感染症が怖ければ医者を辞めろ」と言わざるを得ない。結核、人食いバクテリア(?)、VRE、MRSA、と次から次へと感染症が発見されます。でも、彼ら細菌やウイルスは「われわれはただ生き延びたいだけだ」と言うでしょう。人類は病原体、病気、障害、等々、様々なこととの『共生』を求められているのではないでしょうか。

 『共生』が最近の私のテーマです。よかったらこれからもこのメールニュースを読んで意見も送ってください。

CAI編集者より今月の一言
●おかげさまで、CAIメールニュースを岩室先生と共にスタートする事になりました。皆様のHIV/AIDS理解への一助になればと考えております。98年の世界エイズデー(12/1)にオープンしたホームページも好評を得て、大変嬉しく思っております。
 また、メールニュースの購読者数は500名を超え予想以上の反響で驚いておます。今後もホームページコンテンツ充実はもとより、勉強会開催なども考えておりますので、ご興味をお持ちの方は、私達までお気軽にメールを下さい。非常に簡単ではございますが、これで御挨拶にかえさせて頂きたく思います。
                           (代表:渡部)
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