紳也特急 104

〜今月のテーマ『性教育でこころの教育を』〜

●『国分太一さんもいのっちも知らなかった』
○『性の悩みでこころが不安定に』
●『人がなぜ攻撃的になるのか』
○『責められている自分』
●『誰かに学ぼう』

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●『国分太一さんもいのっちも知らなかった』
 水谷修さんに声をかけてもらって「R30」という番組で50人の若者たちに岩室紳也の性教育をさせてもらいました。ほとんどぶっつけ本番で20分ほどの短い時間でしたが、スタジオの若者たちとのキャッチボールを中心にスタジオに来ていた皆さんに性について少し考えてもらえればと思ってやらせてもらいました。番組はTBS系列(首都圏は4月11日(金)24時40分〜、地域によっては1〜2週遅れもあるそうです)で放送されますのでよかったら見てください。
 その収録の時に、自分が「オジサン」になったのを感じたのがMCの国分太一さんも井ノ原快彦(通称:いのっち)も知らなかったことでした。何人かの人にお二人の名前を出したら「カバン持ちで行きたかった」と言われ、その後、国分太一さんがフィギュアスケートの世界大会のキャスターとして登場されていたのを見てびっくりでした。いのっちは瀬戸朝香さんと結婚していたということもネットで調べるまで知りませんでした。最近もテレビ番組もあまり見ることもない仕事漬けの生活ですが、最低限の芸能情報にさえ触れなくなっているのは立派なオジサンになったということでしょうか。そんなオジサンでしたがスタジオの若者も、国分さんも井ノ原さんもそれなりに楽しんでくださったようなので、オジサンなりの性教育を続けていくしかないのかなと思っていたらうれしいことを聞かせてもらいました。「いつも攻撃的だった男の子が岩室先生の講演を聞いてすごく落ち着いたのでびっくりしました」という情報でした。そこで今月のテーマは「性教育でこころの教育を」とさせていただきました。

『性教育でこころの教育を』

○『性の悩みでこころが不安定に』
 最近、「性教育の目的は人づくり」と偉そうに話していました。それは性の何を教えたら人づくりになるかということではなく、性を題材とした、あるいは性教育という得意分野を通した聞き手とのコミュニケーションの中で聞き手はもちろんのこと、自分自身も何かを感じ、人として変わったり育ったりすることができると考えてのことです。そんなことを考えていた時に、「いつも攻撃的だった男の子が岩室先生の講演を聞いてすごく落ち着いたのでびっくりしました」という情報をくださった方がいました。
 この方は若者たちがよく利用する電話相談に関わっている中で、いつも攻撃的な内容の電話をかけてくる男の子が気になっていたとのことでした。ところがある日の電話では非常に落ち着いて、普通にその日の出来事を話してくれ、面白い性教育を受けたことを報告してくれたようです。性教育の内容やその男の子の生活環境から岩室の話に間違いないとの結論に至ったそうです。「岩室先生の性教育でその子がすごく落ち着いたというのをどう考えればいいのでしょうか」というのがその方の疑問でした。
 人はいろんな悩みを持っていますが、思春期の若者にとって二次性徴はとてつもない大きなハードルです。例えば「オナニーをしすぎると頭が悪くなる」ということで悩んでいる男の子がいたとします。実際に成績がどんどん下がってくる。しかし、オナニーはやめられない。どうしよう。そんな悩みを持っている彼の気持がわからない人は「そんなことで悩むなんてバカじゃないの」としか思えない人もいるでしょう。しかし、どうすることもできない自分の性衝動と上手に向き合えない人の中には、そのイライラを誰かに攻撃的にぶつけることでたまったうっぷんを晴らすこともあるのではないでしょうか。たかが性の悩みかもしれませんが、そのことが原因でこころが不安定になることはよくあることです。

●『人がなぜ攻撃的になるのか』
 通り魔的な殺人事件が繰り返される中、どうしてあのようなことができるのだろうかと思っている人も多いと思います。以前の私も「どうして」と思っていました。しかし、今は「こころを病む」ということがどういうことなのか、「ストレス」とはどのようなことなのかを春日武彦先生に学んだ結果、少しはその心理状態がわかるような気がしています。
 春日先生は「こころを病む」ことを「その人のものごとの優先順位が周囲の人の常識や思慮分別から大きくかけ離れてしまうこと」として、「ストレス」を「人と人との関係性の中での『プライド』が保てない、『こだわり』が解消できない、『被害者意識』が解消できないこと」であると教えてくださいました。こころを病んだ状態の人は、自分の悩みを解消する手段として実行することが周囲の人の常識や思慮分別から大きくかけ離れてしまいます。誰でもストレスが溜まりますが、ストレスのはけ口を見も知らない人に向けてしまうのはやはりこころが病んだ状態と言わざるをえません。(もちろんだからといって正当化されないことは言うまでもありません)

○『責められている自分』
 「人が自分に意見をしてくれたり、助言をしてくれたりしていても、自分の思考回路に『責められている』と感じるスイッチが入ってしまうと、どんなにいい意見でも受け入れられなくなってしまう自分がいました」とある人がつらかった時代の自分のこころの中を教えてくれました。この方は様々な辛い状況の中で、何が問題なのか、どうその場面をやり過ごせばいいのか、わかっていました。誰かを、あるいは自分を責めても決して解決策が見つかるのではないという事もわかっていました。いろんな人の意見や助言が「あなたが悪いのよ」と言っているのではないこともわかっていました。にもかかわらず、そう思ってしまうスイッチが入ってしまっていた、こころが病んでいたということに後になってやっと気づけたということを教えてくれました。
 4月から始まるメタボリックシンドローム対策で同じようなことが起こる可能性はないでしょうか。メタボの原因は明らかです。「食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足」に尽きますので、メタボ健診の結果、責められた気持になり、会社にも居づらくなり、こころを病んでしまう人が増えないでしょうか。いまの日本は原因がはっきりさせ、原因を機械的に取り除けばいいと、非人道的に結果を出すことを求める風潮が強すぎます。メタボ健診の結果、ますます「責められている人が多い日本」になって新たな事件がおこらなければいいと願うのは私だけでしょうか。

●『誰かに学ぼう』
 私の性教育で気持が落ち着いた男の子は、もしかしたら「何だ、あのオジサンも偉そうな顔をして話しているけど、オレと同じように毎日オナニーをしていたんだ」と知って安堵していたのかもしれません。本当は電話相談でオナニーの相談をしたかったのが、そのことが上手く話せなかったため、話せない自分にいらつき攻撃的になっていたのかもしれません。
 人はいろんなことにつまづいたり、失敗したりした時に、一番支えになってくれるのは正解を示してくれるアドバイスではなく、同じようなつまづきや失敗をして落ち込んだ人の経験だったり、「そんなこともあるよね」と寄り添ってくれる人だったりします。私の経験が一人の若者の攻撃性を和らげることに役に立ったというのを聞き、私自身がエンパワーされました。今年度もめげずに頑張るぞ!

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