紳也特急 18

〜今月のテーマ『献血に勝るエイズ教育なし??? ?』〜

●『スキー・スノーボードやりませんか』
○『献血に勝るエイズ教育なし??? ?』
●『偏見の事例』

◆CAIより今月のコラム
「2001年宇宙の並」

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●『スキー・スノーボードやりませんか』
 冬は時間があればスキーと決めています。その年度の講演の申し込みを受け付ける4月1日の前にはスキーの予定を最低3回は事前に押さえて、そこには仕事を入れないようにしています。しかし、その冬の楽しみを将来続けられるかが不安な状況になってきました。 昨年暮に野沢温泉スキー場に行った時もスキーヤーの少なさに「野沢温泉村は倒産するんじゃないだろうか」と心配していましたが、1月に北海道ニセコに行った時はあまりにも閑散としていて、空いていて良かったというより、スキー場の倒産はすぐそこまで来ているという危機感さえ感じました。一時期、スキーはスノーボードにとって変わると言われていましたが、最近はスノーボーダーさえも少なくなりました。何より証拠にスキー場には上級者しかいなくなり、初心者や中級者に出会うと「頑張って続けてください」と思わず声をかけたくなります。スキー場によっては初心者講習は無料というサービスもしています。
 確かにレジャーが多様化し、海外旅行が安くなった時代に、ウエア一式、スキー板、靴、さらには一日4,000円のリフト代がかかるスポーツは人気がないのも無理がありません。でもスキー場がなくなるのは寂しい。みなさんスキー・スノーボードやりませんか?
 北海道スキーでうれしかったのはホテルの売店にコンドームが売られていたことでした。エイズ教育の成果でコンドームが常識、生活習慣の一つになりつつあるのでしょうか? でも、思わぬところにエイズ教育に大きな敵がいました。

○『献血に勝るエイズ教育なし??? ?』
 最近、私が献血についてコメントするのはほとんど献血の安全性の確保についてでした。しかし、久しぶりに献血して「エイズ教育」の新たなる敵に、障害に出会いました。場所は新宿西口で丁度1時間ほどの時間の余裕があった時に献血ルームの前を通りました。献血の安全性の確保を訴えるだけではなく、たまには自ら献血もしないといけないと思い献血ルームに入りました。献血手帳を見た係の人が「お久しぶりの献血ですね。問診票をにご記入いただけますか」と言われたので順番に記入して行きました。

●『偏見の事例』

偏見その1 「海外に住んだことがありますか」
 小学校の6年間は今やHIV感染が深刻になっているアフリカのケニヤに住んでいました。また、タイ、アメリカ、インドネシアにも行ったことがありますが、「住む」という期間がわからなかったことと、少なくともそれらの地域では「性的接触」がなかったのでいろいろと聞かれても担当者が困るだけだと思ったので「いいえ」に○をつけました。もし「住んだことがある」と答えたら何を聞かれるのでしょうか。今度は「はい」に○をつけてみようと思います。

偏見その2 「(1)不特定の異性と性的接触をもった」
 次ぎに血圧測定と問診の場面で老先生が怖い顔で「いろんな女性としていないでしょうね。いろんな女性としていないでしょうね」と2回念を押されました。「はい」と答えた後、この答えって「はいしています」なのか「はいしていません」なのかわからないだろうなと思いつつそこはパスしました。
 実際に献血するベッドに横たわり、太い針を刺された後にB5サイズの紙を1枚渡され「よく読んで該当することがありましたら電話をかけてください」と2度念押しされました。そこには次ぎの事柄が書かれていました。

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献血にご協力ありがとうございました。
患者さんへのエイズ感染を防ぐために!
◆エイズに感染しても6〜38日(平均22日)間いないはその感染を検出できません
この1年以内に次ぎのいずれかに該当することがあった方は
(1)不特定の異性と性的接触をもった
(2)(赤字で)男性の方:男性と性的接触をもった
(3)エイズ検査(HIV検査)で陽性と言われた
(4)麻薬・覚醒剤を注射した。
(5)(1)〜(4)に該当する者と性的接触をもった。
3時間以内にあなたの声でこちらにご連絡を下さい。
電話番号(略)
あなたの生年月日とこの番号(献血した時の番号)をお知らせください。
(中略)
プライバシーは確実に守られます。
日本赤十字社中央血液センター

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 検査にウインドーピリオッドがあることがきちんと書かれていることは評価できますが、「エイズ感染」や「エイズに感染」という表記はいただけないですね。
 また、不特定、特定、多数、一人、異性、同性にかかわらずコンドームを使わずに性的接触をもったならばHIVに感染する可能性があります。でもこのように何度もつきつけられると不特定ではない自分は感染していないと錯覚するのでしょう。

偏見その3 「(2)(赤字で)男性の方:男性と性的接触をもった」
 「男性の方」というのが赤字で書かれていたのにはビックリしました。ゲイの方は怒らないのでしょうか。「ゲイである自分がゲイパートナーの彼とセックスして何が悪い」と怒鳴り込みたくなると思いませんか。ゲイではない私でも怒り心頭です。お互いにHIV検査を受け、感染していないことを確認している人にとってはなおさら不愉快な表現だと思います。

偏見その4 「(3)エイズ検査(HIV検査)で陽性と言われた」
 エイズ検査で陽性と言われている人が献血をしますか??? 常識的にはしないでしょうし、仮にしたとしてもエイズ検査(HIV抗体検査)をするわけですから引っかかりますよね。それとも日赤が行っているエイズ検査だとウインドーピリオッド以外に実は偽陰性(感染しているのに感染していないと判定される)例が多いのでしょうか。それなら「献血血液はウインドーピリオッド以外にも検査精度の問題からHIVが混入している可能性があります」と断っていただきたいですね。

偏見その5 「(4)麻薬・覚醒剤を注射した」
 これも申告するでしょうか。ぜひ、このような問診をして電話をかけてくる人の数や訴える内容について教えていただきたいですね。

偏見その6「(5)(1)〜(4)に該当する者と性的接触をもった」
 パートナーの過去の生活について知らない人が多いですよね。好きになった人に「今まで不特定の異性とセックスした?」とは聞きません。女性は彼氏に「あなた男性とセックスしたことがある?」と聞きますか?

 いずれにせよ、全国でHIV感染に感染するリスクの高い16歳から64歳の人を対象に1年間に約600万人(延べ人数)にこのような情報提供がされています。私は昨年約1万人に対してHIV感染予防の話をしましたが、献血での情報提供と比べればあまりにも微力すぎますね。日赤の関係者の方はどのようにお考えですか?

 「エイズ教育は文部省の仕事。われわれは問診や情報提供を血液の安全性確保のためにやっています。」という答えが見え見えですね。

◆CAI編集者より今月のコラム
「2001年宇宙の並」

 いつもと同じように残業して、帰る途中いつも寄る駅前の牛丼屋。
「並ひとつ」これもいつもと同じ。
もうすぐ午前0時。
これが西暦2000年11月30日のすべてです。

つくば万博の年、ぼくらは小学6年生で担任の先生は恐いけど人気のある先生だった。11月末の学芸会。クラスの出し物は劇に決まり、劇の内容について先生は課題を出した。
「未来の自分を演じること」
みんなそれぞれに、それぞれの「未来の自分」を考える。野球選手、レーサー、アイドル歌手、実家を継いで農業、など。外国人実業家と結婚し社長夫人になった女の子もいた。
世紀末を迎えたある日、ぼくらは母校のあった場所に集まり近況報告をする。
劇のタイトルは「西暦2000年11月30日」

でも、実際の西暦2000年11月30日は実にあっさり、いつものように過ぎてゆき。
ぼくはぜひ出席したかったんですよ、あるかどうかわからない近況報告会。
本当にみんな集まるのだろうか?誰か欠けていたらどうしよう?そんなことがずーっと何年も気になっていたんですけどねー。非常に残念。
30日ったらあなた、月末ですよ。儲かってなくたってそれなりに忙しい。

ぼくは、欠席でした。

結局、果たせぬ夢となったお芝居でしたが、ぼくはそれでもよかったと思っています。
かつての少年に西暦2000年の自分の姿を見せてあげることができました。
金持ちにも有名にもなっていない、牛丼屋の晩飯でも、満足です。

そして、西暦2001年1月1日。
年越しは小学校からの同級生宅で夜更かしとなり、今世紀初の朝帰り。
届いていたのは一通の年賀状。差出人は、1985年のぼく。
まさかと思ってあけてみると、まあ汚ったないエンピツ書きの手紙がつくば博の記念硬貨とともに出てきました。田舎の子供でしたが、未来派のボクとしてはつくば博には是非とも行きたかったのです。夏休みなんか、毎日のように流れる万博のニュースを見ながら両親をくどいたんですけどね。
結局、だめだったなぁ。
タイムカプセルに参加することでせめて万博ムードを満喫しよう、と。
つづられた田舎っ子の関心は、未来よりも上京できたかどうかにあったようで。
いろいろ考えて書いたことは覚えているけど、これが恥ずかしい稚拙な文章で。
一生懸命さが輪をかけてハズカシイ。
ハズカシく始まる、これも21世紀なんだなぁ、なんて。

さて、どうです?みなさん。
我々はかつて未来だった地点を通過中。
たしかにここは未来でした、が。。。
ちょっと近づいたけど、次の地点まではまだありそうですね。

あなたは、どちらへ?
                     M.M(♂)