〜今月のテーマ『おちんちん外来』〜 ●『「立ちションを科学する」へ一言』 ○『コメント』 ●『一人ひとりの個性にあわせて』 ○『ていねいことばのA君』 ●『甘えん坊のB君』 ○『世間話が好きなC君』 ●『おちんちん外来で一皮むける?』 〜PR〜 ○『AIDS文化フォーラム in 横浜』 ●『新作ビデオ紹介』 ◆CAIより今月のコラム 「(仮)国際化が泣いて逃げてく」 --------------------------------------------------------------------- 久しぶりに読者の方からコメントをいただきました。ありがとうございます。皆さんの声が紳也特急を続ける原動力になっていますのでこれからもメッセージをお願いします。 ●『「立ちションを科学する」へ一言』 今回のメルマガ『男の立ちションを科学する』は面白かったです。 私は42歳の男ですが、子供の頃からおしっこの時、便器の周りに飛び散るのが悩みでした。ウチのアパートには小便器はなく、和式の大便器が30センチぐらい高いところに設置している大小共同のトイレでした。私の場合、誰から教えてもらうというのでもなく、高校ぐらいの時、包皮をむいてするとまっすぐ飛ぶということを発見しまして、以来孤独な悩みから解放されました。 今の家は洋式の便器ですが、おしっこをしていると、5歳の息子が割り込んできて、一緒におしっこをするときが時々あります。ちょうど息子の目の高さが私のオチンチンのところなので、私が包皮をむいてしているのを実際に見て、おしっこはこうやってするものだと学習しているようで、息子も必ずむいてやっています。 それからこれも私が体験の中から得た知恵ですが、おしっこをした後、おちんちんを充分に振っても、水滴が一滴、二滴、残っているんですね。それでパンツにほんのわずかですが、濡れます。ですからおしっこした後はトイレットペーパーで亀頭の部分を拭いています。これは小便器ではできません。ペーパーがないし、持参していても、それを小便器に流せないからです。 ○『コメント』 「最後の一滴はトイレットペーパーで」という方がいるんですね。そう言えば私もそうしていた時期がありますが、今はまずお尻の筋肉をしめることで尿道の中の尿を外に向かって押し出します。それからおちんちんを振る前に約3秒待ちます。そうすると重力の法則で尿が外尿道口の近くに集まるんですね。それから振ると結構しずくは残らないように思うのですが・・・・・(笑)。皆さん、同じようなことで悩み、工夫されているんですね。そしていろんな工夫をしながら悩みを乗り越え、次の世代にメッセージを伝え続けているんだと心強く思いました。 私の「おちんちん外来」に来ている子どもたちも一生懸命頑張っています。そんな彼らから教えられることが多いので、今回は外来風景の一端を「おちんちん外来」として紹介したいと思います。 おちんちん外来 ●『一人ひとりの個性にあわせて』 外来に入ってくるお子さんたちは、誰一人として同じ挨拶をしません。「おはようございます」、「よろしくおねがいします」と言うように躾けられている子も多いのですが、私が一番気にして見ているのは彼らが外来に入ってくる時の様子です。いやいや、特に泣きながら親に引っ張られて来るようなことはないようにすることを目標にしています。どんなに小さくても「三つ子の魂百まで」というくらいで、3歳前後になれば1人の人間として思いや個性を尊重してあげることが必要だと考えています。 ○『ていねいことばのA君』 「せんせい、いたくしないでください。ぼく、じぶんでやりますからせんせいはみていてください」 これはA君が口癖のように毎回顔をあわせるたびに私に言う言葉です。3歳のこどもにこう言われると「いたくしませんよ。どうぞじぶんでおやりになってください」と彼の希望を受け入れます。診察台の上でパンツをおろしおちんちんをむこうとしている彼にとても近づけない雰囲気があります。少しでも近寄ろうものなら「じぶんでやりますから、せんせいはそこにいてください」と怒られてしまいます。ところがそうは言いながらなぜか彼は決められた予約日におちんちん外来に来ます。そして毎回同じ注文をつけます。自分で少し頑張ってみるもののやはり上手くいかないのを見てお母さんが「すこしせんせいにやってもらいましょうか」というと「うん。おねがいします」とやっと私の出番が廻ってきます。彼は本人が納得するまで医者は手を出してはいけないということを私に教えてくれました。 ●『甘えん坊のB君』 「ぜったいくりんとしない」 こう言うB君は亀頭部がはじめて出た時の驚き、痛み、恐怖(?)のために必ず「くりんとし(亀頭部を出さ)ないで」と念を押します。しかし、外来に来て「ぜったいくりんとしない」と言うと、お母さんに「何のために来たの」としかられるのを受けて「自分でできれば先生はくりんとしないよ」と言うと目に涙をためながらしぶしぶむきむき体操の練習に入ります。本当は泣かせたくはないのですが、お母さんはきちんと彼におちんちん外来に行くことを納得させて来ているので私もお母さんの方針に従うようにしています。それでも半年近く自分では亀頭部を見せることはできませんでした。お母さんが「出なければだめじゃない。早くしなさい。他に待っている子がいるでしょ。看護婦さんに足を押さえてもらおう」と叱られると観念して看護婦さんに足を押えてもらい、手はお母さんが握って私がおちんちんに取り掛かります。もちろんできるだけ痛い思いをさせないようにします。「こうやってむくんだよ」と言っても返ってくる言葉は決まって「くりんとしちゃいやだ」です。むいても痛くないのがわかっていても、自分でできるようになるのに時間がかかりました。そんな彼も最終的には自分で「くりん」とできるようになって喜んでいました。 ○『世間話が好きなC君』 「きょうはそごうでかったぺりかんびんのくるまをもってきた。ほかにも4つもってきたよ。みせてあげようか」 このように必ず自分のことを話しながら診察室に入ってくるC君は最初の頃は無口なお子さんでした。それもそのはずで包茎を気にした親に連れられて行った病院でいきなり包皮をむかれ、その後一切親にむかせないどころか、おちんちんさえもさわらせなくなったかわいそうなお子さんでした。よく小児科や泌尿器科の先生の中に「無理やりむくとその後むかせなくなったり、再癒着、むいたことによるトラウマが残るといった問題があるのでむくべきではない」と言い切る方がいます。確かに彼はその代表例かもしれません。もちろん最初の頃は私が触ることさえもできませんでした。そんな時にぜったい痛い思いをさせてはいけません。「かっこいいおちんちんにしようね」と言い聞かせながら少しずつ「痛かったら言ってね」というとすぐに「いたいっ!」と言うのでそこで止めていました。そのようなことを繰り返しているうちに彼と私の世間話が始まりました。「やまとにできたおーくしてぃってしってる。いとーよーかどーといおんがあってそこのかいてんずしがおいしいんだよ」。「そうなんだ。せんせいはこのあいだきんじょのかいてんずしにいったけどまずかった。こんどはそこにいこうかな」。「うん、おいしいよ」。こうやって信頼関係をつくることを第一にした後でも実際にむこうとすると腰を引いてやらせなくなる子がいます。その時は腰を引かれないようにおちんちんを持つ手とお尻にまわした手でお子さんを抱きしめるようにしてあげるといいようです。そんな工夫をしながら彼のおちんちんは少しずつむけるようになっています。 ●『おちんちん外来で一皮むける?』 「むく・むかない」、「むける・むけない」、という話は小さいお子さんにとってどうでもいい話なのかもしれません。でもむけないお子さんは冒頭の方のようにお父さんとむいて連れションなんてできませんよね。何より洗えないので不潔です。理屈はともかく多くの親がお子さんのおちんちんに関心を持っていただいていることはいいことだと思っています。こんなことを言うと「それって岩室先生が仕掛けているんじゃないの」と怒られそうですが、おちんちん外来に包茎を訴えてくる小学生以下のお子さんは絶対にいません。全員が親か医療関係者が気にして受診しています。だからこそお子さんが納得してできるようにしてあげる必要があると思っています。最初は親が一生懸命でも、どうしてむくのか、どうしておちんちんをきれいにした方がいいのかを本人が納得するとおちんちん外来(おちんちんむきむき体操・おちんちん検診・かっこいいおちんちんになる外来・その他別名多数)にちゃんと来るようになります。おちんちん外来ではお子さん自身も一皮むけるのかもしれません。 ○『AIDS文化フォーラム in 横浜』 http://www.yokohamaymca.org/AIDS/ 今年も8月にAIDS文化フォーラム in 横浜が開催されます。 日 程:2002年8月2日(金)〜4日(日) 場 所:かながわ県民活動サポートセンター 〒221-0835 横浜市神奈川区鶴屋町2-24-2 かながわ県民センター内 入 場:無料 主 催:「2002AIDS文化フォーラムin横浜」組織委員会 共 催:神奈川県(予定) 後 援:横浜市、川崎市、横須賀市、相模原市、横浜商工会議所(予定) お問合せ先:「AIDS文化フォーラムin横浜」事務局 〒231−8458 横浜市中区常盤町1−7 横浜YMCA 高橋亮 大江浩 TEL:045−662−3721 FAX:045−651−0169 E-mail:abunkaf@yokohama-ymca.or.jp ぜひ参加してください。プログラムが確定次第HPに掲載します。 ●『新作ビデオ紹介』 「エイズ・性感染症とその予防」(大修館書店) 監修:岩室紳也 16,000円(著者割引あり) ◆CAIより今月のコラム 「(仮)国際化が泣いて逃げてく」 NYには色々な人が住んでいる。 東京には色々な人が住んでいない? 見ているふりだけで、ちゃんと見ていないから、 色と形しか見えないのよ。 黒いおばさんも 黄色いおじさんも 誰かの隣に住んでいて 今日は掃除をしていたりする。 白いお姉さんも 浅黒いおじいさんも 口笛を吹いていたり 子どもを迎えに行ったりする。 ピアノの音に浮かれたり お昼も食べずに働いたりする。 健康食品の広告を見たり 夜は爪を切ってから寝たりする。 一緒だってば。 国際化が泣いて逃げてくわ。 Y.Tomoko(♀)