紳也特急 36

〜今月のテーマ『考えられない人たち?』〜

●『性感染症予防に関する指導マニュアル』
○『どうして? どうして?』
●『考えられない自分がいた』
○『健康日本21』
●『岩室は肥満と減量の繰り返し』
○『知識も理屈も拒む欲求不満』
●『性欲と食欲は同じ?』
○『欲をカバーするのは生活習慣』

◆CAIより今月のコラム
「暑中お見舞い申し上げます。」

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●『性感染症予防に関する指導マニュアル』
 文部科学省の名前で「性感染症予防に関する指導マニュアル」が発行されました。その中で「参考資料」ではありますが、男性用コンドームの正確な装着方法が紹介されています。
http://homepage2.nifty.com/iwamuro/monkashou1.htm
本文の一部をそのまま紹介しますと「下記に、正確な男性用コンドーム装着法の手順を掲載。(日本人に多い仮性包茎の場合は、特に、手順を遵守。)」とあります。(ウレシ〜イ、やった!!!、どんなもんだい!)
 高校生を前にしてコンドームを膨らませている場面を新聞に掲載されて
http://homepage2.nifty.com/iwamuro/nippa.htm
神奈川県議会で叩かれてから苦節9年、やっと文部科学省の資料にコンドームの装着法や自分の名前も載った、と喜んだその瞬間にこそ自分の浅はかさに気づかされるものですね。別に岩室が偉かったのではなく、コンドーム装着法を含めた具体的対策が求められる不幸な時代になった時に、たまたまみんなが嫌がることに熱を上げていただけだったんだと。それと「反対意見も多かったと思うけど、なぜかお前を引き上げてくださった多くの先生方のことも忘れるなよ」という天の声が聞こえてきました。そうなんですね。文部科学省も岩室も「手づまり」になったようです。私は講演会をそれなりに頑張ってこなしていますが、それでも年間100校余に行くのが精一杯です。文部科学省も教科書やいろんな方法を工夫し対応してきたにも関わらず若者の性感染症や望まない妊娠は増える一方です。通り一遍の参考書を作ってももはや現場の先生方の理解を得、実際に活用してもらえないという意識もあったと思います。岩室流の実践的な内容にするには文部科学省や関係者の方々の戸惑い、混乱もあろうと「参考資料」として掲載されるに留まりました。しかし、コンドーム装着法まで考慮していただける時代になったのは改めて感動と戸惑いを与えてくれました。
 ところで若者にコンドーム装着法を教えたら実際のセックスの場面で本当に着けてくれるのでしょうか。

そこで今月のテーマは「考えられない人たち?」としました。

『考えられない人たち?』

○どうして? どうして?
 「若い人はどうして妊娠するかもしれないとわかっていてコンドームをつけないんですか?
 そんな人たちは自己責任ですよね」、とある大人の方に聞かれました。「妊娠して出産するのがわかっているのにどうしてお金を用意していない人が1割もいるんですか」とある病院の人に聞かれました。確かに、「どうして?」と思うことも少なくありません。しかし、本当に「どうして?」なのでしょうか。

●『考えられない自分がいた』
 最近会う人会う人に「太った」と言われます。言葉では言われなくても目線が上から下へ、そしてお腹の辺りでちょっと留まるのを感じると声にならない噴出しマークが見えます。それもそのはずです。家ではちゃんとカロリーを計算したバランスのいい食事をさせてもらっているのに、イライラ解消に過食、そしてお酒の量が過ぎるんです。宮崎の友人から「百年の孤独」を送ってもらうとせっかくいただいたんだからと(喜んでいるくせに言い訳をしながら)飲めば、別の友達が大吟醸を送ってくれてこれもまた飲まずにはいられない。外食すれば残すのは作った人に失礼、と言い訳しつつ当然のことながらカロリーオーバーの毎日です。案の定、体重が7キロは優に増えていました。
 「食べ過ぎれば、飲み過ぎれば体重が増えるの法則」はちゃんとわかっていたのに、でもその法則は無視していました。というか無視するようにしていた。いや無意識のうちに自分の中で「今日は大丈夫」、「今日だけではそんなに増えない」と言い訳をしていたんですね。「自分は妊娠しないと思っていた」という中学生とどこが違うのでしょうか。

○『健康日本21』
 保健関係者なら健康日本21というのは耳にたこができるほど何度も聞いている厚生労働省が出した健康な日本を目指すプランです。厚生労働省が掲げ、公衆衛生担当者が推進することになっている計画の中でも肥満対策が重要な課題と位置付けられています。しかし、私は人のことは何も言えません。先日、全国いきいき公衆衛生の会恒例のサマーセミナーが名古屋で開催され、いきいきと頑張っている人達が300人以上集まりました。私もその会の世話人の一人ですが、実は、何とその世話人会というのが結構相撲取りの集まりなんです。私もその一人に仲間入り(十両くらいでしょうか)しています。いきいき公衆衛生の会ならぬ、いきいき肥満の会と言われかねない集団でした(思い当たる人ごめんなさい)。その会で健康日本21をはじめとした保健医療計画づくりをどう進めるかという議論をしていたことが実はミソなんですね。理屈と実践は必ずしも一致しないんです。

●『岩室は肥満と減量の繰り返し』
 実は、この私も今以上に太っていたことがありました。最高で74キロ、最低が58キロ、その差16キロの範囲を行ったり来たりしています。どうして体重が増えるのかは肥満で悩んでいる人ならわかると思います。理屈はカロリーオーバー、実態は現実を直視できず思いのままの食生活と運動しない生活を続けているからです。その私が74キロになってもやせようとはしませんでした。服は入らない、運動すると息切れがする、どう考えても体に悪いとわかっていてもやせようとはしないんですね。
 ところが結婚式に招待され、服がないから買いに行きました。「太ったので新しいのを買いに来ました」という上客の私に対して、店員さんもサイズを測って「これでいかがでしょうか」と進めてくれたのはいいのですが、試着してみるとズボンのすそを30センチは切らなければなりません。店員さんも思わず「ぷっ・・・」と噴出していました。「もったいないからおやせになったらいかがですか」と言ってくれた(笑った)店員さんに感謝しつつ買わずに帰ってからダイエットの毎日が始まりました。ダイエットしたきっかけで一番大きかったのはやはり「ぷっ・・・」と噴出した若い店員さんの正直な態度でした。ちなみにその店は東急百貨店町田店でした。きっかけも幸運でしたがそれ以上に幸運だったのはその時の環境でした。住み込みで診療所勤務中だったので3食ともダイエットを考えた食事ができました。結局1年足らずで結婚以来一番体重が少ない58キロまで落とすことに成功しました。

○『知識も理屈も拒む欲求不満』
 もちろんその後も体重が増えたり減らしたりのくり返しでした。たまに食欲に負けて体重が増えても、後で食欲に勝る美容欲?、あるいは金銭欲(太ったら不経済)で体重をコントロールしてきました。理屈(摂取カロリーを減らせば体重も減る)を考え実践しつづけていましたが、何故かここ2年ほどはコントロール不能の状態が続いています。忙しい、ストレスが多い、等々、屁理屈をいろいろ言っています。しかし、体重をコントロールできた頃と、コントロール不能状態の今では何が違うのでしょうか?
 家で食べる食事のカロリーはおそらく今の方が少ないでしょう。しかし、以前は外食時に「昨日少しカロリーオーバーだったので今日は軽くしよう」という理屈を考えていたのが、今では「いいか」という気持ちになっています。お酒も「これくらいで」と抑えられる時は体重に跳ね返って来ないのが「これくらいなら」と思うと気がついたらとんでもない体重になっています。

●『性欲と食欲は同じ?』
 いま高校卒業時の性体験率は40%を超えたと言われ、そのことに多くの大人が危機感をつのらせています。しかし、この数字は何を意味するのでしょうか?HPを開設してから中学生、高校生とメールのやり取りをする中で気づかされるのですが、セックスをしている子供でも、本当にセックスがしたく、それも様々トラブルを受容してでもしたいのかと言えば答えは「No」ではないでしょうか。太ることがわかっていて食べ過ぎる、飲みすぎている自分は、本当はカロリーオーバーに対して「No」と言いたいのですが言えないんです。私には「(カロリーオーバーで太るという)知識」も「(減量する)技術」も「(減量した)実績」も、そして公衆衛生医としての社会的立場もあるわけですから標準体重を維持できて当たり前と思われるかもしれません。確かに生活全般にわたって余裕や楽しみがもっと多かったら「欲」に対抗する「意思」を前面に出して体重増加を凌げるはずです。でも「でも」なんです。仕事に追われる毎日(そんなの自分でしょっているだけじゃないかと言われてもそこでも「No」と言えない自分がいる)の中で自分の意思をどう通すかがこれからも私の課題です。何だか自己反省のような愚痴になってしまいました。

○『欲をカバーするのは生活習慣』
 太らない人は体質もあるのでしょうが、太らない生活習慣が身についているんでしょうね。やせの大食いもよく調べると自分の体に合わせた食生活をしています。でもデブの少食はいません。「セックスするならコンドーム」が生活習慣になっている人はセックスのトラブルも少ないわけです。コンドームを生活習慣にするためにもっと頑張らないといけないとデブの自分を鏡に映しながら思いました。性感染症も生活習慣病?

◆CAIより今月のコラム

「暑中お見舞い申し上げます。」

毎日暑いですね。
最近、メールの書き出しはいつもコレです。
ホントに暑いですよね。

ごく身近にあるなんてことない物でも、よーく見てみるとだんだん人の顔に
見えてくる、なんてことありませんか?

自動車のフロントマスク、時計の文字盤、壁のコンセント。
心霊写真?
まあ、それもそうですが。

人間は心理的に3つの点を見るとそれを顔のように認識してしまうそうです。

そんな感覚をより強引に引き出してしまう装置をご紹介。
MEARYと呼ばれるこの装置、仕掛けは2枚1組のステッカーです。
使い方はとっても簡単。
なんでもいいんです、身の回りにあるものなんでも、MEARYステッカーを張り付けるだけ。

ペットボトルでもドアノブでも、なんでも顔になっちゃう。
ステッカーを張り付ける角度を変えると、表情も多彩。

NEARYはFUROというアーティストが考案したアート雑貨で、「MEARYアートプロジェクト」と呼ばれ、世界で増殖中です。
詳しくはFUROのウェブサイトで。
http://www.furo.tv/

ただでさえ暑くてイヤな世の中ですが、せめて身の回りだけでもハッピーに。

                            M.M(♂)