紳也特急 7

~今月のテーマ「女の子の性について(その1)」~

●『先月号の反響』---読者の方より
○『HIVに感染している人は子供をつくってはいけないのですか?』
●『女の子の性について(その1)』
○『月経・生理』
●『月経と妊娠』
○『月経周期を知ろう』
●『彼氏こそ彼女の月経周期を知る優しさを』
○『ケンカを買わないために』

◆CAIより今月のコラム「涙の味」

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●『先月号(vol,6)の反響』---読者の方より

「読者Aさんより」
 今回は、性教育を始めるにあたっての条件が、書かれていましたね。ちょうど今日、勤務校の保健指導部会で来年度から計画的にという話を出したのですが、見事反対にあい、見送られました。まだ、本校は勤務1年目で、今回は引き下がりましたが、情けない感じです(^_^;) 新学習指導要領に入ったといっても、まだまだ意識は変わらないですね。特に中学は保健体育の教師の意識が、かなり影響すると思います。できれば、「保健」と「体育」を切り離して「保健」専門の教員が(養教でもいいですが)欲しいです。とりあえず、来年度は「保健便り」を通して行う、ということにはなったので、どんどん書こうと思います。

「読者Bさんより」
 健康教育者として独立することを予定しています。専門はエイズ教育であり、理想的にはエイズ関係のボランティアをしつつ、教育技術も磨きつつあくまでもエイズ教育の専門家として生きていきたいと思っています。

「性教育・エイズ教育が出来る人集まれ!」の呼びかけに頑張っている人からのメールをいただきました。みなさん頑張りましょう。      (紳也)

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○『HIVに感染している人は子供をつくってはいけないのですか?』
 薬害エイズの被害者の方とその奥さん(HIV未感染)が子供を欲しがっていました。二人は体外受精等の方法を使わずに子供をつくったそうです(奥さんはその後の検査でも感染していません)。私はこの話を聞き、「それはおめでとうございます!」と思ったのですが、彼は『多くの医者は「奥さんを感染させる可能性がありとんでもないことだ」と喜んでくれるどころかかえってしかられた。(体外受精、等)こうすれば奥さんが感染するリスクを減らせるとアドバイスすることは医者の仕事だが、最終決定をするのは当事者の責任と権利だ』と怒っていました。その通りだと思うのですが皆さんはいかが思われますか。

 性教育のテーマについていくつか書こうと思う中で、つい自分が得意な同性(男性)のことを書きがちになります。異性に関する話は結局の所、書物や思春期相談、等の情報、あるいはパートナーとの関係の中でしか学習できません。しかし、どちらかというと不得手な分野になるかもしれないので今回は敢えて「女の子の性」を取り上げてみました。

●『女の子の性について(その1)』

○『月経・生理』
 医学的には「月経」、一般的には「生理」という言葉が使われています。産婦人科の先生はきちんと「月経」という言葉を使って下さいとおっしゃるので原則的に「月経」を使います。

●『月経と妊娠』
 先日も「どうして月経があるの」と中学3年生の女の子に聞きました。「大人になるから」、「赤ちゃんを生む準備」、「ホルモンの関係」、といった答えがかえってきます。月経は面倒、お腹が痛い、気分がいらいらする、といった感覚はあるものの、月経がある女性は妊娠し得る体になっていることを意識している子はほとんどいません。さらに問題なのは自分自身が月経困難症がない女性は同じ女性のつらさをわかってあげられないことです。もっともこれは月経だけの問題ではないかもしれません。
 女の子の性教育は男の子より進んでいると誤解している人がいます。確かに月経処置教育は行なわれていますが真の意味での性教育は行なわれていないと思います。私は「月経がおこるのは排卵された卵子が受精しなかった結果でだよ」、「月経があるということはセックスをすれば妊娠するかもしれない体なんだよ」と話すようにしています。もちろん「そうなんだ」とうなずく女の子もいますが、男子に向かっても「君の彼女はいつでも妊娠する可能性がある」ということを話します。「彼女は妊娠できる体なんだ。ヤベー」と思えばしめたものです。

○『月経周期を知ろう』
 「あなたの最終月経は」と聞かれて、「○月○日からです」と月経初日を言えますか。昔から言われていることですが、月経周期の数え方を知らない女性が多い状況は変わっていません。さらに「あなたのパートナーの最終月経は」と聞かれて答えられる男性はどれだけいるでしょうか。
 何を隠そう、岩室は妻の月経周期は全て把握しています。どうして私が妻の月経周期を把握しているかわかりますか? この質問を中学生や高校生にぶつけると「わからない」、「避妊のため」という答えしか返ってきません。
 月経周期がほぼ一定していれば、次の月経初日から遡ること14日前が排卵日です(このことは若者に必ず教えましょう)。月経周期を知っていれば避妊目的に、あるいはコンドームを使わない安全日(?)をある程度予想することができるでしょう。しかし、わたしの目的はそのようなことではありません。

●『彼氏こそ彼女の月経周期を知る優しさを』
 女性のみなさん。月経の時にしたくないことは何ですか。何もしたくない、ドライブ、運動、デート、外出、等、したくないことはいっぱいあるはずです。月経困難症(生理痛がひどい、いらいらする、等)の人はもちろんのこと、月経でも比較的症状がない人でもしたくないことはいろいろですよね。生理用品が良くなったとはいえ渋滞に巻き込まれたらイライラしませんか。ディズニーランドの乗り物では気が遠くなりませんか。スキー場のトイレは良くなったとは言え狭くて大変です。ハイキングだとトイレさえもままならない、といった不都合が生じます。
 「今日、生理だからデートは予定変更」、「その週は(生理で)ヤバイから次の週にして」と言えれば何の問題もありません。女性は自分の体のことですからはっきり言えばそれで済むことです。しかし、なかなか言えないという人もいるでしょう。そのような時はパートナーが月経周期を把握しておけば、スキーや旅行の日程をずらすことができますし、ずらせないまでも無理のない行動計画に変更することだけでも楽になると思います。せっかくの楽しいデートをお互いにとってより快適なものに出来ます。
 『クラスの女の子が「(生理で)お腹が痛いから掃除当番替わってくれる」と頼んできたら君はどうする』と聞いてみて下さい。そんなこと考えたこともないという顔をしながら、「いやだ」、「替わるよ」と女の子の月経を少しは身近なものとして考えてくれるようです。

○『ケンカを買わないために』
 人は誰しもケンカをするものです。特に自分自身がイライラしている時には売らなくても良いケンカを売ってしまいます。パートナーの女性が月経前後の時にケンカを売られたとしたら、「本心ではなく月経のイライラでケンカを売っているのだな」とケンカを買わないようにするのも仲良くするコツです。もっとも「何を言ってるの。本気で怒っているのに真剣に聞いていないのは許せない!」と火に油を注がないような判断力も大切ですが・・・・・

◆CAI編集者より今月の一言
『涙の味』
 最近、涙を流しましたか。わたしは最近、涙の味が場合によって変わるといういことを知りました。目にごみが入ったときに流れる涙は無味。副交換神経が働いて流れる涙(悲しい、辛いなど)は水っぽく薄味。交換神経が働いて流れる涙(嬉しい、感動など)はナトリウムが多く含まれているためしょっぱいそうです。
 泣くときって、涙の味を確かめている余裕はないけど一度お試しください。
                                (藪)