紳也特急 9

~今月のテーマ「女の子の性(その3)」

●『紳也特急の読者からの反響』
○『読者からの質問』
●『傷からうつるのなら握手でうつる』
○『女の子の性(その3)』
●『当事者の責任と権利』
○『反省』
●『行間を読まれる難しさ?』
○『自分にできることは?』

◆CAIより今月のコラム「へこみ系男児の凹みのススメ!」

---------------------------------------------------------------------
●『紳也特急の読者からの反響』
 人は人間社会の中でいきるにはルールは守らなければなりません。しかし、犯罪を除くと性行動にみんなが共有しなければならない、共有できる規範はないと思いませんか。自分の価値観、モラル、考えを押し付けようとすることは時として相手の存在を否定することになります。
 紳也特急には私の価値観が入ってしまいますので、読者のみなさんから質問賛否両論が寄せられるのはありがたい限りです。今回は読者からの反響を中心に構成してみました。

○『読者からの質問』
 このホームページを拝見さしてもらって、オーラルセックスではエイズの感染可能性がほとんどないというのを知りましたが、仮に、口内炎や、傷などがある場合においても、その確率は大きく変わりはしないものなのですか、その点について教えてもらいたいと思います。また、なぜオーラルセックスは感染の可能性はほとんどなく、セックスは高いのか具体的に教えてもらいたいのですが。

●『傷からうつるのなら握手でうつる』
 「HIVは傷があれば感染する」と誰もが疑うことなく叫んでいたキャンペーンの後遺症が今は根深く日本全国に残っています。私自身も「傷があれば感染する」と話していた時期があります。しかし、本当に傷から感染するのでしょうか。もし、そうだとしたらどのような傷が危ないのでしょうか。紳也特急2号に少し書いていますので参考にしてください。
 HIVに感染するには「進入経路」、「HIVの量」、「接触時間」が影響します。血が出ている傷はむしろ血管内にHIVが入りこむのを阻止しますので感染しないのですが、ただれのような傷は確かに感染する可能性が高くなるでしょう。しかし、オーラルセックスでは「進入経路」である口の粘膜は絶えず唾液で洗われ接触する「HIVの量」は少なく、「接触時間」もほとんどありません。それに対して、セックスでは「進入経路」に接触した精液・膣分泌液に含まれるHIVはそのまま薄められることなく長時間接触します。特にアナルセックスでは直腸内に射精された精液は次に排便するまで直腸粘膜と接触していますので感染リスクが高くなります。(アナルセックスは出血する傷があるから受け手側が感染しやすいというのは間違いです)

○『女の子の性(その3)』

くたばれ専業主婦さんより次のようなメールをいただきました。いろんな意見を持った方がおられることを認め合うことが大切だと思っていますので紹介させていただきます。

vol,8が発行された後で、さかのぼった話題になって恐縮ですが、vol,7の内容について意見がございましてメール致します。

まず、
『HIVに感染している人は子供をつくってはいけないのですか?』です。7.8行からの内容では、イマイチ判読しにくいのですが、体外受精を使わずに子供を作った薬害エイズの方は、感染の可能性を納得の上でその方法を取ったのかという疑問です。
岩室先生は、お子さんがおられますか?
私は二児の母親です。2人目の子供を産んでから、持病が悪化し、医学が発達した現代、先進国である日本国内でも、いまだ2000人近くの人間がこの病気で年間亡くなっています。私自身は、何があっても、生きたい。子供が大きくなるまでは死ねない。もし、自分がエイズであるとしたら、万が一でも、愛するパートナーに、生まれてくる子供に、リスクを負わせるような方法は取れません。
この感情は、人間として、しごく、当然の事であり、医者の言い方が納得いかないにしても、「最終決定をするのは当事者の責任と権利」と言い切るほど意固地になる必要性が、全く理解出来ないのです。
つまり、その、最終決定という部分は、「子供を作る方法」なのか「子供を作ること」なのか。

 岩室先生は書き方が足りません。
この方は、医者の言い方が附に落ちないという言い回しだったと推測されますが?つまり、岩室先生のフィルターを通った言い方、子供作っちゃいけないのかい?という、読者への投げかけ方は、説明が足りなすぎます。
何をするにも「当事者の責任と権利」があるのは当たり前です。でも、生まれてくる子供に、どんなエゴで、責任と権利を押し付けるつもりなんでしょう。今まで見聞きした、乏しいエイズの知識でも、治療法が確立された話は聞きませんし、奥さまに感染しなかったのも、もう、まるっきり運が良かった為で、岩室先生も「おめでとうございます」という言葉が口をついたのではありませんか?

●『当事者の責任と権利(岩室)』
 私の考え方は非常に単純です。選挙権を認められた責任ある成人なら何をするにせよその人なりに考えて選択することが必要であり、権利です。結果的に病気で亡くなられ、お子さんが実際日本にも増えているAIDS孤児になられるとしたらその子達を社会全体でサポートするシステムをもっと考えて作るべきではないでしょうか。子育ては親だけの責任ではなく、社会全体でしなければならないと思っています。

次に(以下くたばれ専業主婦さんより)、
『女の子の性について(その1)』
>男子に向かっても「君の彼女はいつでも妊娠する可能性がある」ということ
>を話します。「彼女は妊娠できる体なんだ。ヤベー」と思えばしめたものです。

という一文です。「彼女は妊娠できる体なんだ。ヤベー」と思えばしめたもの?
ヤベーって何?ヤベーって言い方から、女性の体へ対する尊厳が感じられません。(別に、私は女性開放運動家ではないですが)
中学の時、女子だけ風疹の予防接種を受けた時、男子が「なんで女だけ注射すんの?あぁ?わけ知りな顔をして、並んでる女子に向って)こいつら、妊娠させてやるか?」などと不愉快な事を吐き捨てたのを思い出しました。

○『反省(岩室)』
 言葉は難しい。では、若い男の子が自分の問題として受け止めた時の反応はどのように表現すればいいのでしょうか? 先日、中学生が妊娠し、高校に入ってから出産、そして子供を死なせた不幸な事件がありました。そのカップルは責任能力、判断能力が未熟だからこそ大人がきちんと教える必要があると思います。もっとも、どのように教えてあげられたらこの事件が防止できたのかは難しいでしょうが、私はシンプルなメッセージを送り彼ら、彼女らに覚えてもらいたいと思っています。

次に(以下くたばれ専業主婦さんより)、
>『彼氏こそ彼女の月経周期を知る優しさを』
>『クラスの女の子が「(生理で)お腹が痛いから掃除当番替わってくれる」
>と頼んできたら君はどうする』と聞いてみて下さい。そんなこと考えたこと>も ないという顔をしながら、「いやだ」、「替わるよ」と女の子の月経を少>しは身近なものとして考えてくれるようです。

ですが、女として、月経が有り妊娠出産を経験していますから、体調の事は異性の方が語るよりは説得力があるでしょう。確かにきついです。ただ、数年前の男女雇用機会均等法により、「生理休暇」が認められなくなった事実もお察し下さい。
「掃除当番をかわって欲しい」と頼んでしまうという事は、男と同じように仕事を頑張ってきた先輩女性達の努力を逆行させてしまう事にはなりませんか?

また、
『ケンカを買わないために』
 パートナーの女性が月経前後の時にケンカを売られたとしたら、という一文も、例えば、広辞苑第4だか5版から、「女」という単語の記述が変更されたというニュースをお年を召した岩室先生であれば耳にされた事もあるかと思います。(CAIの方々は、学生さん主催?だからこのニュースは十数年前?のことなので、御存じ無いかもしれません)具体的に言うと、それまでは「女」と広辞苑でひくと、(捜したら、我が家にはS.44出版の第2版があったので引用)「天性やさしいとか、煮え切らない、激しくないとかいう通有性に着目していう場合の、女性」などと記述があります。そういった部分を書き直ししたようです。確かに、女性一般、そう言った特性があるのは認めます。私の中にも自虐的に言う所の「女々しい部分」があります。
じゃぁ、CAIの女性スタッフ?(vol,8は女性でしたね)に質問します。
彼氏が、訳知り顔で「そういう言い方するのは、生理前後だから怒りっぽいんだろ?」って発言したら、どう思いますか?
時と場合にもよるでしょうけど、相手に対して真剣に意見したい時とか、冷静に考えた上で言ってる時にも、そういう風に受け取られるのって馬鹿にされてるみたいで、嫌だなと思うんですけど?
私は夫に対して、生理前だろうが、後だろうが、ケンカを売る時は、冷静に売ります。

●『行間を読まれる難しさ?(岩室)』
 パートナーの言動を月経だけで判断できるはずもなく、ましてやそれを口にするとは思いもせずに書いたことがこのようにとられてしまう。文章力が試されるのがインターネットですね。でも、でも、めげずに持論を展開すると、相手の性を知ることで相手をより理解でき認め合うことができると思っています。もちろん相手とは異性、同性を問いません。

(以下くたばれ専業主婦さんより)
重ね々断っておきますが、私は女性解放運動家でもないし、法政大学?で田嶋せんせーのゼミを取っていた訳でもありません。イチ「くたばれ専業主婦」と世間に言わしめられる人種の1人です。ただ、岩室先生はテキストに、あまり、お慣れでないとお見受けする。各地方をまわる公演などと違い、メールというのはそこからしか判断出来ないし、扱う内容がナイーブなだけに、公演よりも300倍位、気を使って書かないと?
重箱の隅をつつくようなやり方すれば、受け取る相手には、全てが悪意のある文章にも取られてしまうのです。だから、web上のフォーラムでは、コンニチも果ての無いバトルが繰り広げられ、ひいては名誉きそんだの、訴訟になったりもするのだな。

○『自分にできることは?(岩室)』
 男である私が女性の性を語るとこのような反論がでることがあります。生徒からの感想文の中に好意的なものもあれば、聞きたくなかったという声も少しは出ます。みんなが納得できる話こそおかしいと思いませんか。納得できなかった人にはぜひ別の方の話も聞かせてあげたいと思います。皆さんからは批判と同時に「自分だったらこう話す」というものをぜひ出していただきたいと思います。私もまだまだ勉強途中ですから。

◆CAI編集者より今月のコラム
「ヘコみ系男児の凹みのススメ!」

 仕事がうまくいかなくってヘコむことがあります。
一所懸命やるんだけどから回りしていたり、思うようにいかなかったり。もうイヤって感じになっちゃうんだな。

ところで、近頃の自動車はぶつかったときにボンネットとかが潰れて乗っている人へ 与えるショックを吸収できる構造になっているそうです。

つまり、ヘコむことによって大切な部分を守るという仕組み。
ヘコむ分の余裕が必要だということ。

そうか、ヘコむことも大切なんじゃん?
ヘコめるだけ余裕があるってもんさ。
へっへ〜ん♪

さて、またヘコめるように膨らましとかないと。
                             ヘコ黒(♂)x