スティグマ、偏見、差別の根底に正解依存症

 スティグマ、偏見、差別がなぜ繰り返されるのか? 多くの人たちがこれまでも考え、対応してきました。と言いながら、岩室紳也自身、偏見や差別がなかったかというととんでもありません。今でこそ、「LGBT理解増進法は上から目線でおかしい」と自分なりの正論を述べていますが、正しく理解するまでは「ゲイは理解できない」と思ったり、それこそ「本当にゲイっているの」と思っていました。あらためてスティグマ、偏見、差別について考えさせられたのが、紳也特急299号を執筆していた時でした。
 もともと自分自身の思考パターンがシンプルなことは自覚していますが、「亀頭部と子宮頸部の長時間の、反復する接触につながる膣内射精障害はHPV感染の、子宮頸がん発症のリスクを高める」という発想になり、自分自身でも考えなかったことだったので単純にそのことを書いたところ、ただでさえ子宮頸がんの患者さんたちは疫学的な調査の結果、性交人数が多い、多産、タバコを吸う、といったスティグマを背負わされているので誤解のない表現が必要との指摘を受けました。確かにと思い少しでもスティグマが生まれない補足説明を心掛けました。
 一方で加筆修正しながら気づかされたのが、どのような情報を伝えても、その情報を曲解し、スティグマを生む方向に持っていく人が後を絶たないことです。予防医を自負している岩室は、感染症予防、疾病予防のため、あらゆる可能性を伝え、その中から自分ができることを選び、結果がどうであれ、ご自身の選択を後悔しないようにしたいものだと伝えてきました。
 しかし、スティグマを助長する人、というか社会の多くの人はそもそもそれらの予防情報に対して他人ごと意識ですし、数多ある予防情報、ある意味「正解」の中の本人にとって面白い所だけを抽出し、スティグマを助長していると思いました。すなわち、スティグマ、偏見、差別はその人なりの正解から生まれているため、本人は決して悪いこと、してはいけないことをしているのではなく、ご本人が考える正解を伝えているだけなので修正は難しいようです。正解依存症は奥が深い!?!?!?

つづく

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