サッカーJ1リーグのFC町田ゼルビアを知っていますか、何と2023年のサッカーJ2リーグで優勝し、今年、2024年からJ1リーグに昇格したばかりにも関わらず、一時はリーグトップに躍り出て一大旋風を巻き起こしているチームです。2024年10月15日現在、リーグ3位とまだ優勝が狙える位置にいます。そのFC町田ゼルビアが同日、「弊クラブに所属する選手、監督、スタッフおよび弊クラブに向けて誹謗中傷した者を対象に、刑事告訴をすることとなりました」というコメントを発表しました。
内容について詳細はコメントしませんが、SNSに書き込んでいる人たちは、自分の書き込みを正義、正解と信じています。しかし、正解を押し付けた結果、傷つく人たちがいるというのは本当の意味での「正解」とは言えません。すなわち、今回、誹謗中傷と受け止められるような内容をSNSに書き込んでいる方々は正解依存症と言えるのではないでしょうか。
改めて岩室が考える正解依存症の定義を紹介すると、「自分なりの「正解」を見つけると、その「正解」を疑うことができないだけではなく、その「正解」を他の人にも押し付ける、自分なりの「正解」以外は受け付けられない、考えられない病んだ状態」です。
よくSNSでトラブルが起こりますが、書き込む方は「何が悪い」、「正解を書き込んでいる」と思い、書き込まれた方は「とんでもない」と実はどちらもお互いの正解をぶつけ合っています。もちろん他者から見れば、それこそ「こっちが正しい」とか「あっちが正しい」ということになると思いますし、今回のFC町田ゼルビアは司法に提訴しましたので白黒が付くと思います。しかし、ここで指摘したのは「どちらが正しい」ではなく、SNSという仕組みが抱える問題点です。
先の正解依存症の定義に「SNSを通して」という言葉を入れ込むとわかりやすいと思いました。
正解依存症とは、「自分なりの「正解」を見つけると、その「正解」を疑うことができないだけではなく、その「正解」を SNSなどを通して 他の人にも押し付ける、自分なりの「正解」以外は受け付けられない、考えられない病んだ状態」。
裏を返すと、リアルな関係性でのコミュニケーションだと、相手の言葉に対して「それちょっと言いすぎじゃない」とか、「違う見方もあると思うよ」と返し、返され、「確かに言い過ぎた」とか、「正解と思っていたけどそうじゃなかった」という気づきにつながります。しかし、SNSだとタイムラグの関係で書き込んだ人に書き込んだ満足感だけが残ります。気をつけたいものです。