マズローの欲求の5段階説は様々な分野で「常識」として扱われてきました。
しかし、「自己実現」という言葉は高等学校の教科書でも以下のような記載がありました。
「~になりたい」「~してみたい」など、自分なりの目標をかかげてそれに近づこうとすることや、それを達成することを自己実現と言います。人間には、自分自身を高め、もっている力を最大限に発揮したいという高次な欲求があり、それが自己実現の原動力となっています。
このように言われても・・・・・と思いませんか。
原文を読むと、実は「欲求」も「自己実現」も誤訳ではないかという思いに至り、論文を日本思春期学会の学会誌に書かせていただきました。
論文執筆後に気づいたのですが、一番のポイントは「Love」を「愛」と訳していたこと。
「Love」の最初の日本語訳は「御大切」「大事」だそうです。
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マズローはそれぞれの階層の要素を紹介しています。
自己実現と訳されたself-actualizationの要素としての道徳心、自発性、課題可決力、現実の受容はどう考えても自己実現と一致しません。
なお、マズローが原文で言っていることには異論はないどころか、日本で起こっている様々なトラブルの原因や、解決へのヒントが数多くちりばめられていると考えています。
皆様、ぜひ「原文」を読みましょう。