紳也特急 29号

〜今月のテーマ『ホームページを持とう』〜

●『2002年を迎えて』
○『ホームページへの長い道のり』
●『CAIへの感謝』
○『ホームページづくりの挫折』
●『いまできること』
○『ホームページ・ビルダー V6.5との出会い』
●『紳也’sホームページで訴えたいこと』

◆CAIより今月のコラム
「今年も宜しくお願いいたします。」
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●明けましておめでとうございます。
 本年もまた、一人ひとりに優しい時代になりますよう、皆様と共に力をあわせて頑張りたいと思います。よろしくお願い申しあげます。
               2002年元旦
                 岩室紳也

●『2002年を迎えて』
 正直なところ今年は新たな年を迎えたという感慨ではなく、人生のまとめをはじめる年を迎えたという思いです。先輩達には怒られるかもしれませんが、もう46歳になりました。お陰さまで家内に支えられ、仕事の上でも多くの先輩、同僚、後輩に恵まれてここまできました。ボランティア活動でもいい仲間に恵まれています。こんなに順調でいいのと自分自身が不安になるくらい多くのことをさせてもらってきました。しかし、世の中そんなにいいことばかりが続くはずがありません。昭和58年以来お世話になってきた厚木病院が神奈川県から厚木市に移管されることになり、私は厚木病院を離れることになるかもしれません。
 医者になって早や21年になりますが、今まで何をやってきたのか、これから何をするべきかと毎日のように考えるようになりました。しかし、こうすればいいという結論は簡単には見えてきません。とりあえず自分がしてきたことは世間の常識と思われてきたことの評価とその変革です。HIV/AIDSを診ない医者がいること自体が「へん」。子どもに包茎の手術をする医者がいるもの「へん」。もっとも自分もそんな「へん」な医者だったことも反省。性情報が氾濫しているのなら役に立つ性教育をしないのが「へん」。昔、というか情報伝達が遅かった時代は変革にも時間がかかったと思いますが、インターネットの時代では情報はどこにでもあります。
 と思いきやそうでもなかった。GoogleやYahoo! で「岩室紳也」を検索すると自分が知らないところで自分のことを語っている人が大勢いました。一方で「岩室紳也」からのネット向け情報発信はCAIのホームページから出しているこの「紳也特急」くらいでした。一念発起、いま自分が伝えたいことをホームページという形でまとめてみました。そこで今回はホームページ作成までプロセスを紹介する「ホームページを持とう」という題で書いてみました。

ホームページを持とう

○『ホームページへの長い道のり』
 インターネットにアクセスするようになって何が便利かと言えば、検索機能を使ってすぐに必要な情報が得られるようになったことです。昔というほどの過去ではないですが、以前はわからないことがあったら図書館で文献検索をするというのが当たり前でした。しかし、最近はインターネットを使った検索が最も早くて便利だということは皆さんも実感されていることと思います。ちなみに私はGoogle( http://www.google.com/intl/ja/ )が好きです。

●『CAIへの感謝』
 しかし、自分自身のホームページを持つまでの道のりは遠くつらいものだったことも事実です。CAIがいなければ私のインターネットへの進出はもっと遅かったでしょう。CAIからこの『紳也特急』を出してくれているお陰で岩室なりの情報発信ができ、少しずつ理解者が増えている実感があります。仕事をする先で「読んでますよ」と言われると正直ほっとします。日常の仕事で助かるのは、講演会でコンドームの装着方法を実演しても何百人という中では十分見えなかったという人にはCAIのHPにアクセスしてくださいと言えば復習もしてもらえます。エイズ検査を受ける前にバーチャルエイズ検査を受けることで、エイズ検査の持つ意味を理解してもらえます。(そうそうバーチャルSTD検査はどうなっているの)

○『ホームページづくりの挫折』
 CAIに刺激された結果、いつかは自分のホームページをと思い1年半前にNiftyにホームページ用URLを取得していました。さらにホームページ作成用にソフト(ホームページ・ビルダー2000)も買ったのですが・・・・・・・。でも、いかんせんマニュアルにある言葉がわからない、操作も難しい、発信したい情報の整理がつかない、等々、結局ソフトはそのまま忘れ去られてしまいました。昨年、ついに自分で作るのをあきらめCAIに委託しようと思ってこんな内容をというのを自分なりに整理し始めました。しかし、これまた挫折の連続。そして時間ばかりが経過し・・・・・・・。

●『いまできること』
 そんな折、厚木病院が厚木市直営となることが決まりました。今までの私は県職員ということで病院と保健所に勤務することができましたが、これからは県の保健所に籍を置きながら厚木市立厚木病院にも関わるということはできなくなるでしょう。今まで病院内でやってきた仕事は、おちんちん検診は、HIV/AIDS診療はどうなるのか、と考えはじめても実は答えは見えませんでした。保健所を辞めて・・・とも考えますが、未だに結論は出ません。混沌としていた時にホームページ・ビルダーV6.5に出会いました。

○『ホームページ・ビルダー V6.5との出会い』
 実は新しいものが出たら買わずにいられない性質(タチ)です。しかし、1年半前に衝動買いしたホームページ・ビルダー2000は使い難くホームページづくりは一歩も進みませんでした。ところが、あるパソコン誌に「新しいホームページ・ビルダーはいい」と紹介され、バージョンアップなら格安とインターネットショップですぐに買ってしまいました。この衝動買いがよかった。V6.5は前のバージョンよりはるかに使えるものでした。パワーポイントを使っている人なら本当に簡単にできます。リンクを貼るのも簡単、デジカメで取った写真が大きすぎてWeb上で見せるのに時間がかかりすぎる問題も簡単に解決。これならホームページづくりは超簡単!!!

●『紳也’sホームページで訴えたいこと』
 では、実際にホームページ上で何を訴えたいのかを考えてみると、いつもの診療内容や講演会で話していることばかりでした。包茎は手術不要、HIV感染予防はコンドーム、等々。こんなことなら難しくないと思っていたのですが、実際にホームページを作り出すといろんなことに躓きました。外来や講演会、研修会で聞き手に直接話をする場合は相手の反応が見えますし、相手の表情を読み取りながら言葉を変えたり追加したりすることができます。相手の中に疑問が芽生えても相手が直接質問することもできます。しかし、インターネットではとりあえず一方通行で、掲載した情報は不特定多数の人に解放され、無用な混乱を引き起こすことも考えられます。質問を受けたいと思っても、ホームページ用のアドレスも取得しなければなりません。いろいろトラブルが予想されますが、とりあえずこんな事を考えている医者もいることを知って安心する人、救われる人がいるのであればいいのかなと思っています。
 今まで書いてきたものを少しずつまとめて積み上げると、いつの間にか紳也’sホームページ( http://homepage2.nifty.com/iwamuro/ )が立ち上がっていました。エイズ問題一つをとっても、性教育一つをとっても、決して「これ」という特効薬はありません。包茎への対応については「岩室先生の言うことはもっともだが私は手術をする」と自分の方針を変えない先生方が少なくありません。それなら一般の人、住民、患者側が、もう少し情報にアクセスして、視点を変えて物事を、世間を見て欲しいという思いで一杯です。結核、感染症、保健医療計画、等々、まだ十分掲載できていない分野も多いのですが、少しずつ充実したいと思っています。
 こんなことを載せろというのがありましたらぜひご意見を寄せてください。そして皆さんも自分のホームページを作成してみませんか。案外簡単でしたよ。

 本年もよろしくお願いします。

◆CAI編集者より今月のコラム

「今年も宜しくお願いいたします。」
 数年前インド旅行に行ったとき列車の向かいの席に座った老紳士が私にチャーイをご馳走してくれました。その老紳士は「君は時間が経つのが早いと思うかい?」私は「ええ」と答えると「じゃあ、今あなたは人生の真ん中にいるんだね。私は最近時間が経つのは、ゆっくりになっているよ」と。
 昨年も時間が経つのが早かった。老紳士の言うように、今、人生の真ん中にいるからなのか?今年は一歩一歩着実に足下を見ながら歩んでいきたく考えています。今年もCAI一同、宜しくお願いいたします。
 ちなみに岩室先生ご指摘の、バーチャルSTD検査は来年度公開予定です。

            CAI 代表     渡部享宏(わたなべたかひろ)