~今月のテーマ『できる人が、できることを』~
●『元気になる高校生の感想』
○『関わり続けることを厭わない』
●『聞く力の限界』
○『聞く力の差』
●『電話が新幹線脱線危機の主要要因?』
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新年、明けまして、おめでとうございます
昨年は、例年以上に何かと慌ただしい一年でした。
本年は、少し地に足を付け、丁寧な仕事と、もう少しゆったりとした生活をと考えています。
今年もよろしくお願いします。
●『元気になる高校生の感想』
正直、今まで性についてあまり興味がなかったけど、今回の講演会で詳しく知ることができてよかった。以前、友人からシンジらいないという目で見られたことがあった。理由は、中学校の時に二次元にどっぷりとはまってしまい、現実の女性やアイドルグループに興味を持てなくなってしまったことがあった。岩室先生から二次元の話が出た時、「この人も二次元を否定するのかな」と思ったが、全くそんなことはなくて驚くと同時に安心した。だから、これからは現実もちゃんと見て行きたいと思った。
今は昔と違って性のことを友人と話す機会が少なくなったと思う。また、性のことを話すことは、恥ずかしいし変態だと思ってしまい、あまり話ができなかったけど、今日を機に変えて行けるといいと思った。
始めてSEXをした時、コンドームの使い方を知らずにYouTubeで調べたことを思い出した。今日の講演を聞いていて、岩室先生の動画を見ていたことがわかり安心した。これから性のことで困ったことがあったら先生に相談しようと思った。
女子の体だけでなく、今まで知らなかった男子の体のことを知ることができてよかった。
男性性器からHPVが女性の体に入り子宮頸がんになるのは怖いなと思った。
私は友達が少ない方だと思うし、あまり深く付き合うような関係はありません。岩室先生の話を聞いて、これってSEXについてだけでないと感じたので、人間関係について見直していかなければならないと思った。
一番初めからステージに立ってしゃべるのだろうなと思ってたけど、ステージから降りてきて質問などしながらの講演会はよかった。いつも講演会は退屈なので、今回も最初から寝るモードで参加したが、聞いているとだんだんためになる話ばかりだったので、一度も寝ませんでした。生理日をカレンダーにつけることはしていなかったので、今度からやろうと思った。いろいろためになったので今日学校に来てよかったと思った。
講演を聞いて、何でも一人で抱え込まず、抑え込むのではなく、周りに話したり家族に相談するなど、周りとのコミュニケーションをとることがやっぱり大事なんだと思った。
高校へ忙しい中お越しいただいてありがとうございました。岩室先生の講演会とてもタメになる話でした。毎学期学期末になるとこのような講演会が多くて、生徒は退屈するばかりです。ですが岩室先生の話は1秒たりとも退屈せずに聞くことができました。
人間は経験からしか学ばないとか言われるまで気づかなかったし、他の先生がパワーポイントを使ったり、大っきな画面で話したりしているのに、体育館に入った時ホワイトボードが置いてあるだけで、あぁ絶対つまんないなぁって思ってた自分が馬鹿らしく思えました。やはり目で見るではなくて耳で聞くことが大事ですね。うまくまとめられないのですがとても参考になる話をありがとうございました。
それと小さなことですがこのサイトの性別の欄にその他があることに感激しました。僕はLGBTの類には属しませんがこういう小さなところからの気遣いから始まるんだと思いました。とても楽しかったです。これからもたくさんの人に性の事を伝えていってください。
今回はいつも以上に多くの感想を紹介させていただきました。これらの感想を読んでいただければ、岩室紳也がこれらの感想にどれだけ励まされているかがお分かりいただけると思います。確かに学校に書かされた感想文かもしれませんが、一人ひとりの文字から、真剣に、思いを伝えようとしてくれることが感じ取れるものばかりです。昨年もいろいろありましたが、改めて自分にできることは何かを考え、新しい年の最初のテーマを、「できる人が、できることを」としました。
『できる人が、できることを』
○『関わり続けることを厭わない』
絆という漢字は「きずな」の他に「ほだし(手かせ、足かせ、束縛、迷惑)」と読むことを、築地本願寺のご本尊の前で教えていただいてから2年が過ぎました。言葉を知るということは、単に知識が増えるだけではなく、生き方の支えになるのだと、改めて感じています。先日、「基礎体温計測推進研究会」というところから講演依頼があったのですが、正直なところ「岩室紳也がお役に立つとは思えない」と思いながらも、声をかけてくださったのが大変お世話になり続けている方なので、お断りできず話をさせていただきました。まさしく「ほだし」というか、「柵(しがらみ)」でしょうか(笑)。ところが、そのような素晴らしい方の周りには、岩室紳也の力だと絶対につながれない、これまた素晴らしい方々が集まっておられました。その中のお一人が私の講演を聞き、私の誤解を訂正してくださいました。
愛の反対は憎しみではなく無関心。
The opposite of love is not hate, it’s indifference.
この言葉はマザー・テレサの言葉だ思っていたのですが(←これも大いに反省すべき点ですが)、実はマザー・テレサではなく、同じくノーベル平和賞受賞者のユダヤ人作家で、自らのホロコースト体験を自伝的に記したエリ・ヴィーゼル(Elie Wiesel)の言葉だと教えていただきました。この歳になっても関わり続けることで新たな気づき、学びをいただけることを再認識させていただきました。
●『聞く力の限界』
この情報をいただいたのが懇親会の席で隣り合わせた方からでした。しかし、「エリ・ヴィーゼル」という名前を一回聞いてもとても覚えられるものではありません。そこで「せっかくなのでメモを取らせてください」と断りながらメモを取ったのですが、ありがたいことにその方が後ほど、文献を含めていろんな資料を送ってくださいました。それでも自分の講演でこの名前を言えるようになるまで、久しぶりに歴史上の人の名前を記憶する訓練を重ねていました。
常々、北山修先生の言葉の「目から入った情報はわかったような気になるだけで記憶に残らない。耳から入った情報は想像力を育み記憶に残る」というのを大事にしているのですが、この歳になると、やはり聞く力の限界を感じざるを得ませんでした。
○『聞く力の差』
聞く力の大切さを教えてくれたのが、毎年お邪魔しているある中学校の生徒さんでした。その学校はやんちゃな子が多いのですが、いつも、それなりに聞いてくれていました。ところが、昨年お邪魔したら、ただ聞いているだけではなく、すごく反応がよく、私の一つひとつの言葉をちゃんと受け止めてくれているのを実感できました。「ラジオを聞いている人」と質問したら、何と6割以上の生徒さんが手を挙げました。ほとんどの中学校、高校ではせいぜい数パーセントです。そこで学年主任に「この生徒さんは成績がいいでしょ」と尋ねたら、「岩室先生はどうしてわかったのですか?わが校はいつも市内の平均点以下なのですが、実はこの学年だけは市の平均点を超えているのです。」とのこと。ラジオを通して「聞く力」が育ち、その結果として成績も上がっていたのです。
●『電話が新幹線脱線危機の主要要因?』
新幹線の台車枠が破断寸前の状態だったという情報を聞き、皆さんはどう思われたのでしょうか。「指令と現場 認識にズレ」、「停止判断 相互依存」とマスコミはいろいろ書いていますが、私は次のように考えました。
電話でのやり取りをしたことがない人たちが、危機的な状況で使い慣れていない電話で的確な情報共有ができなかっただけではないでしょうか。「だけ」といってもとんでもないことですが、そもそも電話を日常的にほとんど使っていない人に対して、危機時に、一方が危機感を持って何かを伝えようとしても、果たしてそれが伝わるでしょうか。さらに、報告を聞いていた人の上司が何かを言ってきたので受話器を耳から外して重大な報告を聞き逃したという話もありますが、上司に対して「いま、大事な話なのでちょっと待ってください」と言えばいいだけです。しかしこれができないのが、「受話器を耳から外すと大事なことを聞き漏らす」ということを教わっていない上に、優先順位を考えられず、目の前の困難(上司)を避けようとする習性のなせる業ではないでしょうか。
時代に合わせるのであれば、危機管理もLINEで、「 新幹線車内に煙充満。すぐに点検すべし( ;´Д`) 」とした方がいいのかもしれません。半分冗談、半分本気です。
今年もいろいろと考え続けたいと思います。よろしくお願いします。
宣伝です。
松本俊彦先生、井門宗之さん、岩室紳也でお届けする
THINK ABOUT AIDS 2018 の放送日です。
1月3日(水) 18:00-18:55 FMとやま
1月6日(土) 11:00-11:55 FM山形
19:00-19:55 FM福井
1月7日(日) 19:00-19:55 FM岩手
ふくしまFM
FM滋賀
FM岡山
FM佐賀
FM長崎
FM熊本
FM大分
FM鹿児島
20:00-20:55 FM三重
1月8日(月) 19:00-19:55 FM山陰
1月14日(日) 19:00-19:55 FM長野
FM石川